月食とは、太陽と地球と月がまさにこの順番で一直線に並んでいるとき、宇宙空間に伸びる地球の影に満月が入りこみ、月が欠けて見える現象です。
月の公転軌道面は地球の公転移動面に対して6度ほどずれているので、満月だったらいつでも月食が起こるというわけではありません。それでも(惑星直径):(その惑星の衛星直径)で考えると月は段違いに大きい衛星であり、地球の影にひっかかりやすいとは言えそうです。ゆえに月食には日食ほどの珍しさはありませんが、いざ観測できるとなれば、カメラやビデオのレンズ越しではなく肉眼で見てみたいものです、よね?
紀元前の天文学者・数学者であるアリスタルコスは、月食を観察することで月の直径を計算しました。その結果は「地球の直径は月の直径の3倍」とするもので、理総研の仲間達はこの結果が正しい数値で無いことを知っているはず。これは灘中学校の入試問題で取り上げられたことのあるテーマで、当時の方法にならう計算問題でした。
紹介している動画は2000年7月の皆既月食の様子です。管理人は三宮にある和食屋さんで、食事をしながらのんびり眺めてた記憶があります。
さて、どうして皆既月食では月が赤くなるのか。月自体が光を出しているわけではないので、月が赤い光を反射していることになります。地球の影に入ると赤い色を反射する...間違いではないですがより正確に言えば「地球の影が赤っぽい」です。
地球の大気は光を通しますが、可視光線(赤〜紫)のうち屈折しやすい「〜紫」は大気中で散乱して失われていくことで屈折しにくい「赤〜」が残り、それが地球の影に含まれていくからです。
影が赤っぽい人を見つけたら、きっとその人は大気をまとっています。怪しまれない程度によく観察してみましょう(嘘)。