説明会レポートと銘打ちながら管理人は10月に実施された学校主催の説明会には2回とも参加できませんでした。2回とも同じ曜日とか...。
KUチャレンジについては、結果が出てからしばらく経ち、その間に各塾挙げて内容や結果や分析を説明会やWebで披露しています。
管理人自身もそういった学習塾に身を置く者なのですが、主観のすべてをこのタイミングで披露するのは控えます。実際、自身が属する学習塾において神大附属関連のイベントや説明会に意図的にノータッチで、塾主催の説明会でどういった資料を保護者に配布しているのか知りませんし、イベント講座でどういった教材を使っているのかも知りません。
一般適性検査が始まるにあたって昨年より神大附属さんには(個人的な理由で)何回か伺わせていただきましたが、こんな迷惑な管理人をいつも快く受け入れてくれる神大附属さんとは互いに信頼ある関係でいたいので、個人的に知り得た情報はたとえ同僚でも伝えないようにしています。またその事を知っていながら管理人のフリーダムな動きを制限してこない我が塾の肝っ玉も大したもので、つくづくイー職場だな〜と思っている次第です。
そんなこんなで検閲もないので、神戸大学附属中等教育学校の一般的性検査(つまり入試)の動向を個人的な見解でまとめてみます。控えます、って上で書きましたが、KUチャレンジの自然環境領域の検査問題を見てこれだけは、と思うことは書いておきます。
それは、今現在
ある水準以上の私立中学校の入試に向けて学習塾で切磋琢磨している受験生にとって、神大附属の自然環境領域の適性検査は「長時間の対策は不要」ということです。他の領域のコトは語りません。というか理科講師の自分には語れません。
KUチャレンジを見ただけの所見なので本番では変わってくるんじゃ...と思うでしょうが、適性検査だけあって、過度な競争を演出してはいけない事情から難易度を高めてくることは難しいですし、その層の受験生がどういった学習をしているか、どういう思考順序で解答していくか管理人はよく知っています。小学校で習ったことだけで解ける、となっていてもそれは問いと解の部分であり、適性検査で試されるのは
過程も含めてです。
神戸大学附属中等教育学校が掲げる4つの力のうち「見つける力」「調べる力」「まとめる力」は、自然環境領域においてはつまり合理的解を導くことであり、解に繋がる条件が問題文だけに存在するのであれば、今取り組んでいる学習よりも解への道のりは短いのです。このある水準以上の受験生は、問題文で与えられる以上の知識背景(暗記知識)も駆使して解を導く訓練を積んでいます。残りの「発表する力」が解答欄を埋めていく作業なら、その層の受験生は、解とそこに至るまでの短い過程を書き写すだけです。これは数学における証明問題よりも安易な作業で、将来的に理系が多くなるその層の受験生に対して「何か書いてこい」というだけで彼ら・彼女らはすべてを察してくれます。多くの手ほどきを必要としません。
もちろんフォーマットに慣れておくことは大事なので他の適性検査タイプの演習も必要です。しかしその難易度の類題だけを長時間演習しても、入検本番で頭角を表すことは難しいでしょう。あくまでも自然環境領域だけの話、としておきます。
日程の都合や募集人数などから本番の入検でそういった層の受検生が何十人も集まるわけでは無いと思いますが、抽選とはいえKUチャレンジが実施されたのが7月20日の日曜日であることを考慮しなければいけません。私学を目指す受験にとって夏期講習前の最後の日曜日、各塾共大きなイベントをねじ込んでいます。管理人もその手の層の生徒達に授業していました。KUチャレンジの自然環境領域の平均が55.8点というのは、慎重に議論すればするほど実態が掴めなくなる資料となります。
灘・甲陽の受験生には、そこがダメなら公立で、という児童が少なからずいて、そういった児童やその家庭において神大附属という選択肢は今までにない魅力となります。学校側の思惑はさておき、神大附属だけを志望するなら適性検査タイプの演習だけをこなした方が良い、という方針は自然環境領域については正解とはいえず、合格ラインは思ったよりも高くなると想定しておいた方が無難です。
個人的な検閲でいろいろオブラートに包んだ上で、要は何が言いたいかというと、神大附属合格を謳う塾やクラスに所属していても、過去問も無けれな平均点も参考にしづらい現状、指導する側にある程度の視野がないと「君なら大丈夫」という言葉は空虚だということです。
あ、それと、KUチャレンジでは自然環境と市民社会の1つめの大問が共通問題として出題されていて驚きました。そうするコトの良い面と悪い面を熟慮した上でのあえての出題だと思いますし、割と好意的に捉えてます。が、やはり問いの部分を小学校ではどの授業で扱うか、と考えたとき、大分社会よりである感は否めません。
さて、入試日程についての所見を書いてみます。各私立中学校の合格発表が出てくる統一入試日翌日からの日程をまとめたのが次の図です。
神大附属の入検日が1月20日火曜日と決定してから近隣の私立中学校の日程に何らかの動きが出るのは想定内ですが、まさか六甲がB日程を神大附属にかぶせてくるとは思いませんでした。
六甲受験生が神大附属に流れるという予測は前回の記事にある通りです。六甲という学校の性格からして意外だなーと思ったわけで、何か外部からの入れ知恵があったような気がしないでもないですが、管理人ごときが与り知るところではありません。しかしこの動きは、A日程を受験した心から六甲に通いたいと願う受験生に対して、B日程という2回目のチャンスをさらに厳しいものに変えました。情で学校運営はできませんが、結果として20日のB日程入試には洛南・東大寺結果待ちの受験生が集まり、六甲A日程受験組の幾分かが押し出される形で神大附属の入検に流れることになりそうです。
動くなら須磨学園かと思っていたのにこちらは様子見といったところでしょうか。データの少ない状態では動かない、なるほどそれも須磨学園っぽい。もちろん管理人ごときには真意なんて分かりませんテキトーです。
あと神戸女学院受験生の受け皿になりたい雰囲気だった甲南女子のSアドバンストが火曜日から水曜日に動き、スタンダードへの移行合格を認めるようになりました。争いを避けてなお神大附属よりも先に合格発表を出し、B入試でのSアドバンストの合格者を増やす。確かに今春のSアドバンスト一期生の大学進学実績は学校側も宣伝材料にしたいところでしょう。が、SアドバンストのSが何なのか知らない管理人ごときですからこんな予測もアテになりません。
神大附属側の動きとしては、大教大附属池田の検査日に登校日を重ねることで、一定の配慮を見せた形になりました。この見解は合ってます...多分。
受験パターンを考えるときは上の図を参考に合格発表のタイミングと合格した学校の登校日などに注意しましょう。神大附属の合格者登校日となる1月24日は、高槻後期の合格発表、親和・神戸海星・清風南海の合格者登校日とかぶります。上の図はすべての学校を網羅しているわけではありませんし間違ってるかも知れませんので、最終確認は御自身で自己責任で行って下さい。
20日の受験生の動向を考えてみます。
幼少の頃より学習塾に通っている受験生とその家族にとっては、大学進学実績が無い以上判断材料に乏しく、それなりにしがらみのある国立大附属に大学入試に向けた指導を託すには英断が必要で、私立に通った方が安心感が強いために、その多数は20日に六甲B日程・高槻中期・清風等を選んで神大附属をそもそも受検しないか、受検(神戸女学院以外は統一入試日の結果を経験した上で受検)するにしても数ある併願校の軽めの1つとしか捉えず、その後にどこかの私立に合格あるいは繰り上げ合格が出るとそちらに行ってしまうでしょう。共学校はイヤということもあるでしょう。
ただし中には、私立中学校の学費の分を中高6年間学習塾に回せる、と考える家庭もあります。受験競争における、経済状況を踏まえた合理的な作戦だと思います。この層の受検生はダークホースとなり、入学後の神大附属の実績を牽引していくことになります。
そして上にも書いた、第一志望がダメなら公立でイーという層で、男子に多いです。灘・甲陽の受験者に数%存在し実力の程は様々ですが、演習量は豊富ですし腹をくくってる分精神的に強いです。
女子に限って言えば、上位層に選択肢の少ない兵庫県ですし20日は空き日(神戸女学院受験生は結果待ち)のようなものなので、私立志向が強くともとりあえず受検してみる、となりそうです。神大附属が奇しくも、県外に流出していた女子優秀児をふみとどまらせる防波堤の役割を担う形になっていくかもしれません。
神大附属一筋で入検に臨む受検生はこういった層と競い合うことになりますが、統一入試日あるいはそこから遠く離れた日に入検を実施しない限り、何年経ってもこれは宿命です。辞退する合格者がそれなりに出てくるので24日以降繰り上げ合格もそれなりに出るでしょう。しかし激戦であることは間違いありません。
ココ理総研へのアクセス統計を見ると「神戸大学附属中等教育学校 偏差値」というキーワード検索による訪問がとても多いです。世間の関心はそこにあって管理人としても何らかの答えを提示したいのですが、予測が外れたときに、自己責任という言葉を理解できない面倒くさい人達から叩かれるようになるとしんどいのでやめときます。