2014
10 27 |
:: 2014年、理科にまつわる話題 (時事問題)
[ 投稿 水口佑@管理人 ]
理総研恒例行事となった時事ニュース記事です。中学受験で扱われそうな2014年の理科的時事問題をまとめてみました。
道行く小学生に妖怪ウォッチ向けられてみたり、男だけど巻き爪に苦しんで女子力を高めてみたり、ついさっきは敬愛してやまない先生に「水口、お前は世捨て人やな」とか言われて、いやぁ〜、だとか、それほどでも〜、とか、いかにも日本人な受け答えをしてみたりしたけれど、私は元気です。半年ぶりの記事ですが管理人もちゃんと生きてるんだな、と思って頂けたら幸いです。久しぶりだからかかなり長い記事になってますが、受験生は我慢して一度は読んでおくべし。 サイト統計的に時事ネタ関連のオーガニック検索による訪問率は高く、理総研の知名度のアップのために書いてみます。なお、今年も何回か「理総研のアンキングって暗記ゲームは有料なんですか?」という問いをぶつけられたのですが、誰しもに分け隔てなく無料です。機能制限は実力次第で解除できます。有料のユーザー権限はあくまでも「案」としてあっても募集していませんし、テキストやらの有料コンテンツは今のところありません。理科の暗記力を高めたい方は是非、ご登録下さい。
JAXA大活躍の2014年なので、2015年度入試では写真選択問題とかありえそう。大体でイーので「だいち2号・ひまわり8号・はやぶさ2」の姿の違いを把握しておいたほうが良いかもしれません。 ちょっと見づらいですが、 この記事の写真の左上が「はやぶさ2」→本体上部に、複眼みたいに大きな丸い円盤(バンド高利得アンテナ)が2つ。 その1つ下が「ひまわり8号」→太陽電池パネルが1方向にだけついてる。 右下が「だいち2号」→太陽電池パネルが羽を広げたような形でついてる。 この記事を執筆している段でもエボラ出血熱が世界で猛威を振るっています。上で紹介したデング熱と同じウイルス性感染症ですが、エボラ出血熱は致死率が非常に高く、エボラウイルスは世界保健機関(WHO)が定めた危険性分類(リスクグループ)の最も危険なグループ4に属し、それに対応した4段階の取り扱いレベル(バイオセーフティレベル)の最高レベル4に分類されています。 バイオセーフティレベル4の実験室がある国は限られていて、日本では国立感染症研究所と理化学研究所筑波研究所の2か所のみ。しかし近隣住民の反対運動でレベル3までの運用しか行っていません。ちなみにデングウイルスはバイオセーフティレベル2。 アウトブレイク(感染症の集団発生)とかパンデミック(世界的な感染の流行)とかまがまがしい言葉が世間を賑わせますが、チンピラは怖くなくてもエボラは真剣に怖い管理人です。この事態の収束に人類の叡智が試されています。はやく収束することを願ってます。
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2014
03 12 |
:: 宇宙に思いを馳せる−新しい太陽系モデル
[ 投稿 水口佑@管理人 ]
ある講座で今ちょうど「音」の分野を扱ってて、音速について管理人がサイコーにわかりやすい授業を皆様に提供しているわけですが、その中で「地球上にいるオレらって実は音速を超える速さで動いてるんやで」とか言っちゃってこの動画を思い出したのです。
小学生相手に惑星の公転を図示するときは、真ん中に太陽を固定してそのまわりに惑星の公転軌道を丸く描くわけです。公転軌道は実際のところ楕円だけど、その話は今は関係なし。とにかく正円でも楕円でも、円を描けば地球なら1年たてば元の位置に戻ってくる「回転運動」になります。 この動画はそういった従来の太陽系モデルではなく、ホントは太陽も天の河銀河を公転してるんだから、実際の惑星の動きはこんな「渦巻き運動」だよね、ってのを(管理人ほどではないとして)わかりやすく教えてくれます。 ま、動画見てみよう。今回は、世界のツワモノFPSプレイヤーと互角に The helical model - our solar system is a vortex 螺旋モデル−オレらの太陽系は渦巻きやで The old heliocentric model of our solar system... ...planets rotating around the Sun... ...is not only boring, but also incorrect. 太陽の周りを惑星が回転しとるよーな従来の太陽系モデルは、実につまらん上に不正確や。 Our Solar System moves through space at 70,000 km / hr オレらの太陽系は宇宙空間を時速7万kmで移動してんやで。 Now picture this instead: そこでや。この動画見てみ。 The Sun is like a comet, dragging the planets in its wake 太陽は惑星従えて公転しとって、まるで彗星みたいやな。 Can you say "vortex"? な?これは「渦巻き」やろ? Why is this important?! これの何がそんなに大事かってか? Because "rotational motion" and "vortex motion" are two completely defferent things. そら「回転運動」と「渦巻き運動」っちゅーもんは、まったくの別モンやからや。 Life spirals. 生命の基本は螺旋や。 Life is vortex, not just rotation. 生命っちゅーんは渦を描くもんで、円環やないねん。 The Solar System is part of life. 太陽系も生命の一部っちゅーこっちゃな。 Think about this while racing through space. 宇宙駆け抜けて、このことによぅ思いを馳せてみ。 ...さて、動画の途中で時速7万km(秒速19,400m)っていう数字が出てきたけども、実際太陽や地球が銀河の中心に対して公転している速度は時速864,000km(秒速24万m)で、さらに天の河銀河は宇宙空間を時速2,160,000km(秒速60万m)で移動している。さらにさらに、天の河銀河を含む銀河団は宇宙の膨張により時速3,600,000kmで....スケールでか過ぎて己の小ささが際立ってきますな。 しかしこの動画を見て「おいおい宇宙スゲーな」とか「おいおい管理人スケール小せぇな」とかで終わってしまってはいけない。良い子のみんながさらに混乱加速する話題を提供すると、 まず1つ目。 速度というものは「何か別のものに対する速さ=相対的な速さ」で決めるものであって、この宇宙における絶対的な速度基準もなければ、そもそも「絶対的な速度」というものに意味はありません。っていうのはアインシュタインの特殊相対性理論をミキサーでベラボーに砕いた説明でもあります。つまり時速7万kmでも86.4万kmでも「あー、速いですね(棒読み)」ぐらいの感想でイーんです。 次に2つ目。 この動画には続きがあって、そちらも近いうちにココで紹介しようと企んでます。カンの鋭い諸君ならお気付きでしょうけども、そう、今回の動画のように「太陽がまっすぐ進んでる」ことすら事実ではないのです。太陽が惑星の公転に影響を与えるように、惑星も太陽の公転に影響を与えます。それは地球と月のようにお互いがお互いの周りをまわっているような関係とでも言いますか、ともかくそこでも螺旋や渦巻きといったキーワードが登場することとなります。 宇宙広い。宇宙スゴイ。宇宙さすがッス。
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2014
02 27 |
:: 雪の結晶ができるまで
[ 投稿 水口佑@管理人 ]
同じ形状はこの世に2つと無いと言われるもの。
Vimeoに雪の結晶ができるまでの幻想的なタイムラプス(低速度撮影)動画があったのでアップしときます。ハイビジョン高画質です。 自然が生み出す6回対称(たまに3回対称)の、偶然と儚さと刹那の交点。こういうのが芸術ってもんだと管理人は思うんです。 さて雪にはいろんな呼び方があって、六角形であることから「六花(りっか)」、花に見立てて「天花(てんか)」「風花(かざはな)」、雪による災害から「白魔(はくま)」などがあります。シミ(昆虫綱無翅類)を「紙魚」と表すぐらい雅でありますなー。 同じ形状は無い、つまりどの形状も初見であるはずなのに、それでも見ただけで「あ、雪の結晶やんなコレ?」ってわかるのもまた不思議な話で。
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2013
11 29 |
:: 「手のひらを太陽に」に見る理科
[ 投稿 水口佑@管理人 ]
知らない人はいないであろう良い子のヒーローアンパンマンを生み出したやなせたかし氏が先月他界し、この人の元気さから亡くなられるなんて考えられなかっただけに衝撃を受けました。
さて紹介している動画は、これまた知らない人はいないであろう童謡「手のひらを太陽に」です。なぜパパイヤ鈴木さんが...注目するのはそこではなく、なぜ水木一郎アニキが...注目するのはそこでもなく、故やなせたかし氏が作詞しております。 「ミミズだって、オケラだって、アメンボだって、みんなみんな生きているんだ友達なんだ」と歌われ、理科講師としてはやはり彼らの生態を知っている範囲で紹介しておかねばと思ったのです。生きとし生けるものすべてを上から目線ではなく同じ高さで同じ地球上の仲間として見る、その素晴らしさに気付いたのは管理人が大人になってからで、幼少期は「友達ぐらいは自分で選ばしてよ...」とか思っていたのは秘密だ。グロいとか言われそうなので各々の生物の写真は掲載しません。適宜ググって探して下さい。 ミミズ 環形動物門貧毛綱分類学上において、「貧毛綱」っておいコラここの管理人にケンカうってんのかオラオラな位置に存在するひも状の動物の総称で、目がなければ足もない。体節ごとにちょっと毛がある。目がないといっても体表には光を感知する視細胞があり、光から逃れようとする負の走光性をもつ。オスともメスとも言えない雌雄同体で、でも交接(交尾、って感じではなくひもが強くからまってる感じ)を行って精子を交換し、産卵する。 トカゲの尻尾切りと同様、ミミズも危険を感じると自ら体をちぎる自切(じせつ)をする。土を掘っただけなのに自切されると、なんかとても申し訳ない気持ちでいっぱいになる。のちに分かれた2つの部分のうち頭部を含む前半身から後半身が再生。後半身は再生せず逃げるためのおとりにされてしまう。 よく「ミミズの心臓は○個!」みたいな話を聞くけれども、セキツイ動物のような丈夫な筋肉でできたポンプ的な心臓は持たず、血管の部分的にふくらんだ箇所を脈動させて血液を循環させている。そもそもこのふくらんだ部分を心臓と呼ぶべきかどうか、なんだけども、学術論文等では「〜 heart」と書かれており、それが7〜9か所ある。自切したらそりゃ数も減る。ちなみにセキツイ動物や環形動物のように、血管があってその中を血液が循環する仕組みを「閉鎖血管系(血液が直接細胞に触れない)」という。それに対して、コン虫みたいに何となく体液が体全体をめぐっているような仕組みを開放血管系という。 ミミズの血液は赤いけれども赤血球にあたるものは存在せず、エリスロクルオリンというヘモグロビンと同じ鉄系呼吸色素(鉄だから赤色)が血しょう中に溶け、それが酸素を運ぶ。 食物連鎖では最下層に位置し、いろんな動物に抵抗空しく食べられてしまう。彼らにとっては不本意ながらも釣りのエサとしては非常に優秀。ではミミズは何を食べているのかというと、それは土。土を飲み込んで、そこに付着している有機物や微生物を消化吸収する。どういうわけかミミズは汚染物質に強く、飲み込んだ土に付着している汚染物質を時限爆弾のように体内にため込む。いわゆる生物濃縮が進み、ミミズを食べた動物にこの爆弾が移動し、いつかは人体に害が及ぶこともある。ただし見方を変えれば、ミミズを使って汚染された土壌をキレイにするという人間の身勝手な利用方法もあったりする。なお、ミミズと土壌の関係を最初に研究したのはダーウィン。 ミミズにまつわる迷信として有名なのが、以下のの2つ。 >ミミズが鳴く →ズバリ鳴かない。地下から響き鳴き声はケラだとされている。 >おしっこをかけると#@%☆が腫れる →スバリ腫れない。実践&エキサイティング(?)が信条の管理人はなぜかそれを知っている。 ケラ 節足動物門汎甲殻類六脚亜門昆虫綱バッタ目キリギリス亜目コオロギ上科ケラ科「おけら」という俗称をもち、地下にトンネルを掘って生活する。管理人がよく言われる「この虫けらめっ!」という「けら」とは関係ありません。池や川の近くの街灯に向かって迷いなく飛んでいく姿や、しろかきした水田に苦しさと切なさを抱えてプッカリ浮かんでは想像以上の速さで泳ぎ去っていく姿を見たことがあるかも。 分類体系を見ての通りバッタの仲間なので不完全変態(卵→幼虫→成虫)のコン虫。体長は3cmほどではねは4枚。冬越しの姿は幼虫または成虫。オスは前はねに発音器官を持ち、鳴き声をトンネル内で共鳴させて大きくする。実はメスもちょっと鳴く。幼虫も成虫も雑食で、植物の根や種子,他のコン虫,友達と歌われたミミズも美味しく頂きます。 全生物的に見てもケラは活動範囲が広く、「歩く・掘る・飛ぶ・泳ぐ・たまに跳ねる」という人類未到の運動能力を有し、彼らに国境など意味を成さない。ただし飢えに弱く、水分が不足すると一晩もたない(根性論ではどうしようもない代謝の問題)。 ミミズの項でも書いた通りケラも含めてコン虫の仲間は開放血管系で、透明な体液が背中にある背脈管という心臓っぽい部分の脈動のおかげで体内全域をなんちゃって循環している。この体液は酸素を運んだりせず、呼吸は体内を縦横無尽にはしる気管にマル投げ状態。 ケラが生物学的に注目を浴びるのは前足と体の形。土を掘るのに適した前足、トンネルを掘り進むのに適しただ円形の体にビロード状の毛、種の壁を越えてそれはまるでモグラ(学名モゲラ)。生活している環境やスタイルが似ていると、種が異なっていてもその環境・スタイルに適した体の形を獲得していくコトを生物学では「適応集中(=しゅうれん進化)」といい、この良い例となる。適応集中の他の例は、イルカとサメ、とか。 アメンボ 節足動物門汎甲殻類六脚亜門昆虫綱カメムシ目カメムシ亜目アメンボ下目アメンボ上科アメンボ科「アクエリアス」なんていうカッコイー学名を持ち、水走りの術を使うOh! Ninja!なコン虫。水瓶座(アクエリアス)の管理人とはちょっと縁がありそうでいて、しかし虫けらごときと一緒にされたくないという複雑な気持ちにさせてくれる。名前の由来は雨ではなく、カメムシの仲間らしく捕まえると独特のにおいを発し、これが甘い飴のにおいがすることから。確かに臭くはないんだけど、キャンディーというよりは佃煮にみたいなにおい。ツクダニンボやな。 コン虫なのであしは6本。はねを持つ種は4枚のはねで飛ぶ。不完全変態なので卵→幼虫→成虫と成長し、幼虫・成虫ともに肉食で、水面で生活し、成虫の姿で冬越しする。とは言っても冬越しの姿は観察記録が極端に少なく、水辺の落ち葉の下とか泥の中とか、いろいろ言われている。 なぜ水面で沈まず生活できるかというと、6本のうち後ろ4本の長いあしには全体的に細かな毛が生えていて表面積が大きく、この4本を水に浮かべるように4方向に伸ばし、水の表面張力(表面積をできるだけ小さくしようとする性質)を利用しているから。軽くてかつ水面に接している面積が大きいと物が浮く(水面に1円玉を浮かべる等)のと同じ理屈。しかし所詮は表面張力という他力。石けん水の元ではその効力を失い、アメンボといえど溺れる。なんか...ゴメン...。 水面でもがいてる他のコン虫がいれば、その動きで発生した水面波をあしの毛がキャッチして群がってくる。もちろん助けるつもりなど毛頭なく、こんな食物連鎖バリバリの世知辛い世の中でありますし、容赦なく獲物に針のような口を突き刺しては消化液を注入し、消化されたものを吸い尽くす。管理人が手で細かい波を発生させても群がってくる。なんか...ゴメン...。 管理人は観てないけど、その昔放映されたドラマのせいでアメンボの存在がキレイな水を表す指標生物であるような誤解がうまれたのですが、水質階級の判定基準となる指標生物は30種でその中にアメンボは含まれていない。確かにアメンボは食物となる他のコン虫がいない(自然が豊かでない)場所では生活できないし、洗剤たれ流しの川では生きることが難しい。しかしアメンボのいる場所がすなわちキレイな水!とも言えない。管理人の個人的な観察からだと、どちらかというと少しにごった水にたくさんいる気がする。 紹介した3つの動物に共通する特徴を探ろうとしたけど特に血潮は関係なかった。血管を持ってるのはミミズだけだし。そもそも「手のひらを太陽に」の歌詞は、当初アメンボではなくナメクジだったらしいし。それでもあえて共通項を探すなら、それは「毛」。毛の生えた友達!おいおい、世界平和は近いなっ!
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2013
11 06 |
:: 2013年、理科にまつわる話題 (時事問題)
[ 投稿 水口佑@管理人 ]
昨年に引き続き、中学受験で扱われそうな2013年の理科時事問題をまとめてみました。2012年の記事は「受験 理科 時事問題」といった検索ワードでの来訪が多かったのでやはり需要が高そうです。たまに「理科 自治問題」という検索ワードが履歴に残ったりするんですけど・・・今のところ理総研に自治問題は発生しておりません。自活問題は慢性的に顕在してるんですけども。
気象関連の時事ネタが多いですね。明日の日本を真剣に考えているのは気象庁だけなのかもしれない。
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